金型修理の依頼で「写真・動画を送ってください」と言われたものの、“どこを、どんな角度で、どのくらいの明るさで撮ればいい?”と迷ってしまう担当者は少なくありません。
実は、写真・動画の撮り方次第で以下が大きく変わります。
- 見積りの精度
- 修理可否の判断スピード
- 修理費の無駄削減
- 工場のライン停止リスク軽減
本記事では、金型修理が得意なレーザー溶接会社が実際に「助かる!」と思う撮影方法を、初めての方でも失敗しないように、分かりやすくガイドします。
金型修理の依頼前に写真・動画が必要な理由
金型修理は“現状把握”が9割
金型は、摩耗・欠け・カジリ・ガス焼け・寸法精度など、多くの要素が絡みます。
この現状を正しく把握できれば、以下を正確に判断できます。
- 最適な修理方法(肉盛り溶接/入れ子交換/磨き/研削)
- 必要な加工設備
- 修理金額
- 納期

写真があると見積スピードが2〜3倍に上がる
現場へ金型を持ち込む前に写真や動画があると、以下をすぐに判断出来ます
- 溶接で直るのか、入れ子交換が必要なのか
- 修理費はいくら前後なのか

サイズ感がわかるように撮っていただけるとありがたいです
まずは“状態の引き”写真を1枚撮る
いきなり傷のアップだけ送られる方が多いですが、全体写真 → 部分写真 → アップ写真の順で撮ると伝わりやすいです。
故障箇所の“中距離写真”
次に、故障箇所周辺の形状が分かる中距離写真を撮ります。
例:エッジ欠け/コーナー欠損/パーティングライン摩耗
損傷部分の“アップ写真”
コツ
- スマホのライトをON
- できれば横からの光で傷を浮かび上がらせる
- ピントが合う距離(5〜10cm)で撮影
- 角度を変えて3枚以上
特に欠け・摩耗・カジリは角度で見え方が変わるため複数カットがあると助かります。
スケール(定規)を一緒に写す
これがあるだけで、サイズ感が正確に伝わり、「やり直し」が激減します。
パーティングラインの写真は“横から”撮る
パーティングの段差・摩耗は、上から撮っても分かりません。
横→斜め→上から の3方向が理想です。
動画で撮っていただくと上記のことが一発でわかります
トラブル別:撮影すべきポイントチェックリスト
欠け・摩耗・ガジリ
- 全体写真
- 損傷周囲の中距離
- アップ(ライトON)
- 角度違い3枚
- スケール写す
パーティングライン不良
- 横からの写真(段差)
- パーティングの継ぎ目アップ
- 製品のバリ部分
スライド/リフター不良
- 動画(手動で動かす様子)
- 可動部の摩耗箇所アップ
ヒケ・寸法不良
- 製品の問題箇所3方向
- 金型の該当部分アップ
- 射出条件メモ
よくあるNG写真と改善例
| NG① 暗くて傷が見えない写真 | ライトをONにするだけで解決。 |
| NG② ピントが合っていない | スマホを近づけすぎず、指で画面タップしてフォーカス。 |
| NG③ アップだけで全体が分からない | 全体→部分→アップの順で。 |
| NG④ 製品写真だけ送る | 金型の場合、原因特定が非常に難しいため、金型も必ず撮影。 |
記事監修

南 恭宏
役職
代表取締役 / 精密溶接技術統括責任者
専門分野
精密溶接、金型修理・製作、金属加工全般
「困りごとを解決する溶接屋でありたい」という信念のもと、現場で培った実践的な技術とトラブル解決のノウハウを惜しみなく指導。受講者に寄り添いながら、技術と人間力の両面から成長を支えます。