もう手に入らない部品が、割れた。欠けた。ネジ穴がつぶれた。
旧車・絶版車のレストアで、いちばん手が止まるのがこの瞬間です。
新品はない。中古を探しても出てこない。出ても程度が悪い。
だからといって、削って整えたり、一から作り直したり、それでは “その車のその部品” が、別物になってしまう。

削り取るのではなく、足して直す
エムテックエンジニアリングの溶接は、減ったところ・欠けたところに材料を肉盛りして、元の形へ戻す方法。
オリジナルを削り落として作り直すのではなく、足りない分だけを溶接で補います。 だから、元の部品がそのまま生き残る。
マッチングナンバーや純正であることが価値を支える旧車にとって、これは大きい。
寸法も、刻印も、その個体が積んできた歴史も、削らずに残せます。

ほんとうに難しいのは、材料
旧車部品の溶接で手強いのは、形より中身。古いアルミ、亜鉛ダイカスト、鋳鉄。
当時の合金は今と組成が違って品質が悪く、図面もデータもありません。経年で油が染み込んでおり、腐食も進んでいます。
溶ける温度も、歪み方も、一つとして同じものがない。
ここを読み違えれば、熱で部品全体が反る。
肉盛りが密着せず、あとで剥がれる。
材料を見極め、熱の入れ方を一点ずつ変える。
この判断こそが、仕上がりを分けます。
失敗の許されない部品を、預かってきました
トヨタ2000GTクラスの旧車。資産価値が数百万〜一千万円規模の希少バイク。
一度きりしかない部品を、精密溶接で歪みを抑えながら、元の寸法へ戻してきました。
他社で「無理」と断られた部品ほど、見せてほしい。
直せる可能性は、まだ残っているかもしれません。

まずは、写真を一枚
直せるかどうかの見極めは、部品の状態しだいです。
破損箇所のアップと、全体の大きさが分かる「引き」の写真。動画があればなお助かります。
材質と、何がどうして壊れたのか。ひとこと添えてもらえると、判断が早いです。
記事監修

南 恭宏
役職
代表取締役 / 精密溶接技術統括責任者
専門分野
精密溶接、金型修理・製作、金属加工全般
プラスチック金型の割れ・欠け・摩耗を溶接で直す超精密溶接屋。横浜市港北区。高崎工場で15tまでの大型金型に対応、出張溶接は全国。